革製品で時々質問を頂くのがメンテナンス方法です。
水濡れや雨粒のシミ、経験ありますか?
下は自分用の帆布トートバッグ。
正面の革ポケットが突然の雨に濡れたことがあり、
そのたった一回だけで雨粒のシミが残りました。
これはオイルレザーの部類に入りますが、濡れてすぐに拭いたりできなかったのも原因だと思います。
荒療治としては全体を濡らして乾かすという方法もあるのですが、ちょっと思いきれないですよね。それほど目立たないし、革の色味は大変気に入っているのでこちらはこのままで良しと考えています。
そこでこの突然の雨対策として、皮革用の撥水スプレーがあります。
やっと本題に来たのですが(笑)、簡単に実験をしてみましたので以下にまとめます。
使用した撥水防汚スプレー
[エムモゥブレイ] M.MOWBRAY M.モゥブレィ プロテクターアルファ
左の革片は何もしない状態、右は撥水スプレーをした革片。
そこに水を数滴たらしたところ、右側はころころと水を弾き撥水効果がよく出ています。
水滴を落として、写真撮影してすぐに拭き取りました。(30秒程度、一分以内には完了)
もともと表面加工のないヌメ革は水を浸透しやすいのがよくわかります。
一晩そんままにしておきました。
左の何もしていない革片にはうっすらと水滴跡が薄茶色に残りシミとなってしまいました。
右の撥水スプレーをした革片は水滴跡も残らず顕著な状態変化は見られませんでした。
水が革に染み込むと、革の内層の線維が水を含むことで膨張しているように感じました。
締まった繊維もふかふかと柔らかくなりますが、それが乾燥するとまた硬くなります。
革の内層に浸透していた染料成分やなめし剤などが表層に浮いてくるのもシミの原因と推測します。
ヌメ革に撥水スプレーを施す際の注意点
試しに3スプレーまで分けて実施してみたところ、スプレーの溶剤が多くなりすぎて揮発する前にシミが発生してしまいました。
スプレーは適量の噴霧をする必要があり、革質に応じて考慮する必要があります。
表面コートが施されていないヌメ革などは浸透しやすいので、先にクリームを塗って下地を作ってから撥水スプレーをするとよさそうです。
これについてはまたいずれ実験しようと思います。
革によってケア方法は異なりますのでひとつの記事としてまとめきれませんでしたが、
共通して言えることは、ケアクリームやオイルなどは、いきなり広範囲に塗らず、
「目立たない部分でテストしてみる」はとても重要です。
ヌメ革につく油染みは消えませんし、オイルを入れすぎてべたっとなると元に戻せませんからね。
あまり手間をかけずとも、きちんとポイントをおさえたケアアドバイスができるようにしたいと思います。
それではまた。
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