キーホルダーの修理

こんにちは!


 今回友人から相談を受けた、革製キーホルダーの修理です。

あのポールスミスPaul Smithのマルチストライプ模様の革でできた犬のキーホルダー。

犬好きにはたまらないアイテムですよ。

 もう15年くらい前のもののようで、現在は販売もされていないのですが、

楽天で売り切れでもまだ画像が残っているところがあったのでリンクを以下に。

 キーホルダーの状態は、足やしっぽが切れかかってしまい、模様も完全に消えていました。ポールスミス(が委託したメーカーだと思いますが)もミシン縫製をきちんとしてありましたが、ずっと使っていたら切れるのも無理はないかなと思いました。修理より作り直しがいいと判断しました。

黒いワンちゃんが好きとのことで、黒い革。一応タンニン鞣しだけど顔料染めのものにして、色味と強度を優先しました。

型紙から革を切り出し、表裏を貼り合わせます。


 久々の手縫いです。わんちゃん逆さまでかわいそうな写真ですね(笑)。

 曲線ばかりなので、二本目菱目打ちで縫い穴だけ印をつけて、菱切りで穴をあけてあります。レザークラフトのベーシックな部分ですが、とても奥が深いんですよ。手縫いは針を二本使い、一本の糸を端にそれぞれ針を付けて、交互に縫い進めていきます。糸は蝋引きされたものを使い、革の銀面(表面)に傷をつけないように注意しながら一針ずつ糸を縫い締めてあげます。

 縫い終わって、コバ(切れ端)を整えています。元の製品はコバを顔料塗装していましたが、どうしても擦れてはがれてしまいます。ですので、コバをやすりと処理剤で磨いて、最後に電気コテでロウを浸透させてコバを強くします。このコバ磨きも奥が深く、習熟度が試される部分です。かまぼこ型でツルツルに仕上げるクラフトマンさんを本当に尊敬します。ふのりを塗ってヘチマで磨くという昔からの手法もあったりするんですよ。今回はざっくりとした作りにしようと思うので、背中の部分がある程度光沢が出たところで良しとしました。

首輪をかけてできあがり!!友人が考えた通り黒い犬でかっこいい!元の製品と同じ首回りにしてありますので、首輪からわんちゃんが逃げちゃうこともないです。また飼い主様に大事にされてね。ワンワン!






MilezaWorks / ミレザワークス

milezaworks / レザーや帆布を使ったバッグ・革小物の制作 Leather and Canvas Bag Products

0コメント

  • 1000 / 1000